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「美月、どうしてお前はそんなことを知りたいんだ?
三十年前の話を今ごろ知ってみても、どうにもならないだろ?」
父が急に不機嫌になり、美月の言葉を遮った。
美月は二人の様子に違和感を感じながら、二人の顔をじっと見つめた。
母は挙動不審になり、父は不機嫌になった。
二人はきっと、火傷で顔が赤くただれた女子生徒を知っている。
美月はそう直感的に思い、二人に言った。
「お父さん、お母さん、私にその火傷で顔が赤くただれた女子生徒のことを教えて。
私はどうしてもその人のことが知りたいの。
その人を探さないと、笹原高校の三年生は、みんな死んでしまうかもしれないの!」
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