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「倉本美月、私はあなたの瞳を奪う。
あなたの瞳はきれいだから……」
目なし女の声が、美月の近くで聞こえてきた。
美月は必死になって、目なし女から逃げる術を探していた。
もしも、光があったなら……。
この暗闇を照らす明かりが、ほんの少しでもあったならば……。
美月はそう思ったときに、自分のスカートのポケットの中に、スマホが入っていたことに気づいた。
〈 ほんの少しでいい。
私が暗闇の世界から、抜け出すために 〉
美月はポケットに手を入れ、スマホを取り出し、スマホの光で、暗闇の中の洞窟を照した。
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