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・ω・`)「そうそう。アーボンオレンジってのは、キタコレでのみ栽培できる柑橘系の果物なんだけどさ」
(´・ω・`)「気温、湿度、風土、ほか多数含めてとにかく厳しい条件からなってはじめて実になる幻の果物なんだよ」
アーボンオレンジ、それはみかんではあるものの、従来のみかんとは程遠いみかんで、
素晴らしい香りがするのと、キタコレの土地でしか実が成らないことで有名である。
それを香水にするには、果実ひとつで数千円もするのに、
そのひとつから摘出されるエキスが僅か数十ミリ、
それらを集めて凝縮させ、更に配合もしなければならないので、まさに高級品の極みである。
そう、説明をされた。
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40 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/27(土) 14:57:30.87 ID:9bUqTpSi0
(´・ω・`)「それともう一つ特徴があるんだ」
(゚、゚トソン「まだですか」
(´・ω・`)「なんとこのアーボンオレンジ」
(´・ω・`)「怪我とかした際、エキスをその傷口に塗りつけると、その傷を癒せるんだってね」
(゚、゚トソン「え、治るんですか?」
(´・ω・`)「この香水じゃ無理だけど、純度100%のアーボンオレンジのエキスだと可能らしい」
一頻り話し終えた警部は、
最後に見せしめなのか、ワンプッシュ、私にそれをかけた。
(´・ω・`)「ふふん、お上品な香りを堪能しちゃいなさい」
(゚、゚トソン「な、ちょ……」
(´ー`*トソン「……ふわわぁ~……」
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42 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/27(土) 14:59:33.92 ID:9bUqTpSi0
雄大な土地、吹き荒れる風にも負けず、根を張り巡らせ、
吸収に吸収した養分からその実を育み、毎日少しずつ成長するその果実、
それが弾け、中から見えたのは、桃色の空に流れる雲。
太陽の恵みをふんだんに受け入れ、育った果実から放たれる香りだけで、気がつくと、私はその桃色の空に浮いている雲に寝ころんでいた。
太陽の日差しが暖かく、雲が優しく私を包む。
やわらかな日差し、やわらかな雲の抱擁を受け、私はそのまま安らかに寝息をたてたのであった。
(´ー`*トソン「………」
(゚、゚トソン「あれっここはどこ!? 桃色の空は!?」
(´・ω・`)「こいつぁ重症だな……」
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