序章

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・ω・`)「ふぅ……さんざん話したのに、まだ乗って10分も経ってないじゃないか」 (゚、゚トソン「え、今何分なんですか?」 (´・ω・`)「12時の……12分だね」 (゚、゚トソン「発車が3分ですよね」 (´・ω・`)「まだ電車の旅ははじまったばかりだよ」 (゚、゚トソン「旅といってもVIPまでですけどね」 (´・ω・`)「雰囲気ないなぁ」 (゚、゚トソン「なんですってー!」 . 57 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/27(土) 15:11:57.01 ID:9bUqTpSi0 警部が嘲笑をあげると、ふと窓の外を見て、 私に同じく外を見るように催促をした。 さっきからこの人に主導権握られっぱなしだなと抵抗を感じるも、素直に見るしかない。 (´・ω・`)「ほら、海が見えるだろ?」 (´・ω・`)「たとえ旅じゃなくて単なる移動でも、       こういう、道中の景色を楽しむだけで違うものさ」 (゚、゚トソン「……」 この線路は、進行方向に向かって左側、左列の席から海が見える。 右列からは山が見えるのだが、見ていて癒されるのはどちらかと聞かれれば、もちろん海である。 あと一月遅ければ山側の紅葉も見物なのだが、今は断然海の方が見栄えがいい。 . 59 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/27(土) 15:14:03.18 ID:9bUqTpSi0 海面に太陽の光が反射し、波がその光をうやむやにして、更にその波に光が射すので ギラギラと目に突き刺さるも、それはなんとも趣深く、非常に美しいものとなっている。 これが夏の海ならなお美しいことだろう。 とかいう話を聞かされた。 (´・ω・`)「海、いいねぇ。左列取って正解だよ」 (゚、゚トソン「といっても、今乗客少なくてガラガラですけどね」 冒頭にて、帰省ラッシュだの云々言ったが、 行き先がVIPの南で固定されているこの列車は、VIPに目的がない人にとっては乗る必要性はもちろんない。 一日に四本しか出ないのだが、既に始発はでている。 今乗っているこの列車は二本目だ。
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