第一章

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´・ω・`)「じゃあこの話はどうかな。僕がはじめて男にも目覚めるようになったキッカ」 (゚、゚トソン「事件でお願いします」 (´・ω・`)「あれは事件だったのさ、用を足している時にふと」 (゚、゚トソン「大声出しますよ」 (´・ω・`)「イヤン」 おどける仕草を見せた警部は、身体をくねらせて乙女チックなポーズをとる。 その姿、実に浅ましく、吐き気を催す。 私がそんな素っ気ない態度を見せると、 彼は一転してまじめな姿を矯飾し、静かに語り出した。 (´-ω-`)「あれは……高校生自分かな、用を足している時にふと」 (゚、゚トソン「ズコーッ」 前言撤回だ。 この人は、ふざける時にはとことんふざける。 今のまじめな態度は何だったのだ、と問い詰めてやりたいものである。 . 7 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/29(月) 15:33:26.51 ID:y+uhRp1L0 シュユにして、列車は、大きなカーブに差し掛かった。 海岸に沿って旋回するので、右に曲がることになる。 緩やかながら、列車のスピードはすさまじいもので、 遠心力で威され、すっかり私は口数が少なくなる。 その力で窓側に押しつけられ、警部の話にツッコミを入れたきり、 警部と話をすることなく窓の外を見ていた。 今、警部がまじめに話をしても、耳を貸せないだろう。 轟き渡る、線路を走る車輪の音が鼓膜を細かく揺らすので聞いていられないのだ。 更に頭蓋骨を窓に当てているので、列車本体の振動も直に伝わる。 たとえるなら、間近で道路工事を見ているような気分だ。 . 8 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/29(月) 15:34:45.71 ID:y+uhRp1L0 こうして窓の外を見ていると、実にこの列車が速いかがわかる。 左列から見えるのは海だからいいものの、ふと気にかかり山側の景色を見ると、 すごいスピードで左から右へと流れる木々が見え、とても「景色を楽しむ」のは難しく思える。 窓は開かないが、もし顔をのり出すと風で呼吸は難儀だろう。 (´・ω・`)「揺れるなぁ……」 (~、~トソン「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…」 (´・ω・`)「遊ぶな煩い」 (゚、゚トソン「ふぇーん」
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