第三章

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警部の考えが読めないまま、ついに本音がぽろっと出てしまった。 しかもそれを警部にもろに聞かれ、こっちに振り向かせてしまった。 余計なことしたかなぁ、と反省するが、 意外に彼はちょうどいいやと言って私に歩み寄ってきた。 (´・ω・`)「じゃあ次はトソンちゃん」 (゚、゚トソン「えっ」 (´・ω・`)「“香水のアーボンオレンジ”にはなくて       “生のアーボンオレンジ”にあるもの、なーんだ?」 (゚、゚トソン「えっ」 急に乗客の視線が私に集まったのを実感した。 嘘、こんななかではずしたら恥曝しもいいところではないか。 しかし、黙っているわけにもいかない。 答えを必死に考えるも、事件に関係しそうな答えは思い浮かばない。 . 72 名前: ◆wPvTfIHSQ6:2011/09/02(金) 17:21:49 ID:hZF5R6oIO (´・ω・`)「難しく考えなくていい。       さっき僕が言ったことを思い出して」 (゚、゚トソン「さっき……」 記憶は数十分前に遡る。 椅子に座っていて、警部の香水の自慢を聞かされていたのは覚えている。 ウン十万はする高級な香水を撒かれ、リラックスできたのも覚えている。 そういえばあのとき、いろいろと豆知識を得意げに語られていた気がする。 (゚、゚トソン (゚、゚トソン「キタコレでのみ手に入る!」 (´・ω・`)「バーカ」 (;、;トソン「えっ違うの!?」 . 73 名前: ◆wPvTfIHSQ6:2011/09/02(金) 17:23:21 ID:hZF5R6oIO (´・ω・`)「それは両方一緒じゃないか。       100%の果汁にはある作用があったよね?」 (゚、゚トソン「ひゃく……」 (゚、゚トソン「あ、治癒とか?」 このとき、私はちょっぴりボケたつもりで言ったのだ。 正解がわからないのだから、ここは無能な振りをして 警部に呆れさせ、とっとと話を戻してもらおう、と。 そう、思ったのに。 (´・ω・`)「そう、アルコールなどいっさい化合されていない       生粋のアーボンオレンジ、それの意味するところ」 (´・ω・`)「それは、治癒力の有無だ」 (゚、゚トソン「あってたんだ……」 (´・ω・`)「なんだって?」 (゚、゚;トソン「なんでもないです」 慌てて首を振る。 警部が自慢げな顔をするなか、勘で当てました、 だなんて言えそうにもない。 警部はすぐに本題に戻った。
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