第三章

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そう警部に反論するも、手は男を捕らえようとしている。 一応上司の命令だからそのように動くも、 彼は真意がわかったはずなのにまだ食らいつく。 しかし警部は、たった一言で、ワカッテマスさんの 刑事としてのモチベーションをマックスにまで引き立てる。 (´・ω・`)「生のアーボンオレンジを使っている以上、       出血するような傷はあるはずなんだよな」 (´・ω・`)「……たとえば、弾丸が貫通した穴とか、ね」 ( <●><●>)「!」 それ以上、ワカッテマスさんは反論しなかった。 男と取っ組み合いになり、男の腕っ節のよさから若干ワカッテマスさんが押されるも、 腕っ節のよさならワカッテマスさんもそう容易く負けるはずがない。 彼は身長は180を超え、 上腕二頭筋は1リッターのペットボトル並にはあるのだから。 . 78 名前: ◆wPvTfIHSQ6:2011/09/02(金) 17:38:22 ID:hZF5R6oIO 刹那、男に異変が生じた。 (;`・ω・´)「―――ッ!」 ( <●><●>)「! ここか!」 ワカッテマスさんが男の右腕に触れた瞬間、 男は声にならぬ悲鳴をあげた。 汗は一気に吹き出し、右腕も後ろに引いた。 何より、顔が苦痛で歪んでいる。 それを見逃さなかったワカッテマスさんは、 彼よりも速く右腕を強く握った。 ――瞬間、男は凄まじい悲鳴をあげた。 (;` ω・´)「ぎゃああああああッ!!        このッ!」 握っているワカッテマスさんの手を執拗に殴るも、 全く威力がなさそうで、ワカッテマスさんも全く怯んでいない。 しかしそれでも反撃を繰り返す男を、警部が制した。 . 79 名前: ◆wPvTfIHSQ6:2011/09/02(金) 17:41:32 ID:hZF5R6oIO (´・ω・`)「よし、そこを調べろ」 ( <●><●>)「袖、めくらせてもらうぞ」 殴ってくる男の左腕を警部の左手で、 のたうち回り、蹴ってくる足をワカッテマスさんが上から覆い被さるようにして押さえる。 そして急ぎながらも丁寧に、ワカッテマスさんは 男の左腕に通されている上着の袖をあげていく。 その生地は若干ぶ厚めなようで、 傷口に刺激を与えないように捲るのは難しそうだった。 (;`-ω・´)「………」 (; <●><●>)「け、警部、これは……」 (;´・ω・`)「……ひどい、な」 ワカッテマスさんが、 こう腑に落ちない顔色を見せる中、 警部も同じく辛辣な表情を浮かべている。 男は諦めたのか、静かに彼らに「ソレ」を見せていた。
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