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`・ω・´)「ハ? 切り傷があったら、なにが問題なんだよ」
( <●><●>)「その前に、お名前をお聞かせください」
(`・ω・´)「……唐突だな」
急に彼が名前を聞いてきたので驚いたことだろう。
しかし、名前もわからぬままこうして張り合っていたこと自体が珍しい。
男は少し間を置いて名を述べた。
(`・ω・´)「本田シャキーン、と人は呼ぶ」
( <●><●>)「本田、シャキーンさん、ですか。
私、VIP県警の若手ワカッテマスと申します」
(`・ω・´)「そりゃーどうも」
ワカッテマスさんも自己紹介をし、軽くお辞儀をした。
男改め、シャキーンさんの名前を書こうと、ワカッテマスさんは手帳を開いた。
彼がメモし終え、すぐに本題へと軌道修正がなされた。
(`・ω・´)「……でよ、この傷は発砲事件と何ら関係ないのは自明の理であろう。
何か問題でも?」
( <●><●>)「……なにか、錯覚なされてますね」
(`・ω・´)「ハ?」
( <●><●>)「わからないのですか?
今がたとえ発砲事件の捜査中であれど、
このような傷の存在意義に変化はありません」
( <●><●>)「お尋ねします、なぜこのような傷を?」
(;`・ω・´)「あぁ!? 悪いかよ自分で誤って腕きっちゃあ!」
「お待ちください!」
(`・ω・´;)「誰だ!」
ワカッテマスさんは、事件とは関係ないと思われる、
いや実際関係ないであろうこの傷のことを尋問した。
ただ、おおっぴらに見せられる傷ではないという以上、
当然後ろめたい出来事があったに違いない、
男は自分で腕を切った、と過失である旨を
主張したが、それをワカッテマスさんが疑う前に、
私の右後ろ、扉が大きな音をあげて開き、
そこから制止を求める声が放たれた。
今度は誰だ、と皆がそちらを向くと、
見慣れた人物が立っているではないか。
(#゚;;-゚)「その取り調べ、私にも同席させていただきます」
警部に散々匂われていたワゴンの行方は人知れず、
手ぶらの彼女は女性とは思えぬ凛々しさを醸し出していた。
それは警察の捜査に一般人が干渉するのと同義、
警部が許すはずもない。
そう思ったのだが、今は条件が違った。
彼女も、代理ではあるが立派な関係者ではある。
そして、もしワゴンの「ハプニング」もふまえ
この事件に関係があるのなら、彼女の同席は
警部にとっては願ってもない展開ともなりうる。
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