第三章

16/19
前へ
/342ページ
次へ
`・ω・´)「ハ? 切り傷があったら、なにが問題なんだよ」 ( <●><●>)「その前に、お名前をお聞かせください」 (`・ω・´)「……唐突だな」 急に彼が名前を聞いてきたので驚いたことだろう。 しかし、名前もわからぬままこうして張り合っていたこと自体が珍しい。 男は少し間を置いて名を述べた。 (`・ω・´)「本田シャキーン、と人は呼ぶ」 ( <●><●>)「本田、シャキーンさん、ですか。        私、VIP県警の若手ワカッテマスと申します」 (`・ω・´)「そりゃーどうも」 ワカッテマスさんも自己紹介をし、軽くお辞儀をした。 男改め、シャキーンさんの名前を書こうと、ワカッテマスさんは手帳を開いた。 彼がメモし終え、すぐに本題へと軌道修正がなされた。 (`・ω・´)「……でよ、この傷は発砲事件と何ら関係ないのは自明の理であろう。       何か問題でも?」 ( <●><●>)「……なにか、錯覚なされてますね」 (`・ω・´)「ハ?」 ( <●><●>)「わからないのですか?        今がたとえ発砲事件の捜査中であれど、        このような傷の存在意義に変化はありません」 ( <●><●>)「お尋ねします、なぜこのような傷を?」 (;`・ω・´)「あぁ!? 悪いかよ自分で誤って腕きっちゃあ!」 「お待ちください!」 (`・ω・´;)「誰だ!」 ワカッテマスさんは、事件とは関係ないと思われる、 いや実際関係ないであろうこの傷のことを尋問した。 ただ、おおっぴらに見せられる傷ではないという以上、 当然後ろめたい出来事があったに違いない、 男は自分で腕を切った、と過失である旨を 主張したが、それをワカッテマスさんが疑う前に、 私の右後ろ、扉が大きな音をあげて開き、 そこから制止を求める声が放たれた。 今度は誰だ、と皆がそちらを向くと、 見慣れた人物が立っているではないか。 (#゚;;-゚)「その取り調べ、私にも同席させていただきます」 警部に散々匂われていたワゴンの行方は人知れず、 手ぶらの彼女は女性とは思えぬ凛々しさを醸し出していた。 それは警察の捜査に一般人が干渉するのと同義、 警部が許すはずもない。 そう思ったのだが、今は条件が違った。 彼女も、代理ではあるが立派な関係者ではある。 そして、もしワゴンの「ハプニング」もふまえ この事件に関係があるのなら、彼女の同席は 警部にとっては願ってもない展開ともなりうる。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加