第四章

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タオルがめくられた時、場は騒然とした。 血の付いたナイフは、あって当然なのだ。 本人がそう主張し、それの確認も含めての検査だから。 そしてのちに、このナイフについて 署ででも取り調べがなされたことだろう。 しかし、もう一つくるまれていたのだ。 輪胴式の弾倉を持つ、拳銃が。 それを発見するや否やシャキーンさんは絶叫した。 予期せぬ事態が起きたときにあげる声に、それは似ていた。 当然列車内も騒がしくなる。 発砲事件の犯人が見つかった、そして警部も 用意周到なワカッテマスさんも 手錠をたまたま持っていなかったと言う。 つまり、シャキーンさんがその気になってしまうと、止める術がない。 しかし、シャキーンさんは。 (;`・ω・´)「違う! それは俺のではない!」 素性が出てしまっているというのに 往生際が悪いというか、拳銃が見つかっていながら それでもなお、否定している。 私物ではない、そう連呼する。 しかしながら警部はそれに耳を貸さず、ジッと拳銃を見ている。 彼の代弁でもするのか、でぃさんが前に出た。 (#゚;;-゚)「あなたのカバンの奥底に、丁寧にタオルで包まれていて、      更にカバンにもチャックとボタンでしっかりと閉まっていたのにですか?」 (;`・ω・´)「そ、そうだ!」 (#゚;;-゚)「おかしいですね、ではこの拳銃はどなたの?」 (;`・ω・´)「ぐぬぬぬぬ……」 (#゚;;-゚)「まさか、このカバンが“自分のものではない”、と仰います?」 (;` ω ´)「………ぐおおおおおおおッ! このアマァァ!」 でぃさんが、ありとあらゆるシャキーンさんの主張を全て これ以上ないであろう程の正論で打ちのめした。 シャキーンさんは汗がかなり垂れている。 息遣いは荒く、見た感じ動揺がひどい。 言い返す言葉を無くしたか、シャキーンさんは立ち上がり 目の前にいるでぃさんに、襲いかかろうとした。 ―――が。 (`゚ω゚´;)「いででデデっ!」 (゚-;;゚*)「言い返せずに暴力とは、なんと滑稽な」 素早い身のこなしで、シャキーンさんの腕に関節技らしき技をかけた。 それは華奢な体つきである女性の見て呉れからは到底考えられぬ動きで、 大男がすっかり押さえつけられていた。 その一連の動きを見ていたワカッテマスさんが止めに入る。
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