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警部はどうやら、かぶっていた焦げ茶色の帽子も邪魔だったようで、
さっと取って足下の鞄の上にかけるようにして載せる。
その鞄を、足で壁に引っ付けるように蹴り押した。
(´・ω・`)「なんだかんだ言って、やっぱり地元で捜査するのが楽しくてさ」
(゚、゚トソン「でも、戻ってきてすぐ捜査とか言わないで、
暫くの間、現場の捜査は、部下に任せた方がいいんじゃないんですか?」
(´・ω・`)「そんなのヤダヤダ。刑事も警部も局長も、現場が大好きなんだよ」
(゚、゚トソン「はぁ……そういうもんですかね」
私が警部の拘りに適当に相槌を打つさなか、警部はコートのポケットを漁っていた。
おそらく中はキャンディとかでいっぱいなんだろうな、と微笑ましくそれを見ていると、中から見慣れぬものを取り出した。
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34 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/27(土) 14:51:01.18 ID:9bUqTpSi0
(´・ω・`)「これ、知ってる?」
(゚、゚トソン「それは?」
橙がかった瓶の容器の中に、無色透明かオレンジなのかわからないが、
液体がちゃぷちゃぷと入っていた。
白地のラベルには、緑のお洒落な字体で「Arvon Orange」と印刷されている。
オレンジとは読めるのだが、前半が読めない。
(´・ω・`)「『アーボンオレンジ』をベースにした香水なんだけど」
(゚、゚トソン「あーぼん?」
(´・ω・`)「ふう……やっぱりお子ちゃまにこれの高貴さなんてわからないか……」
(゚ー゚;トソン「むっ!
知ってますよ、あぼーんなオレンジなんて!」
(´;ω;`)「ぶひゃひゃひゃ! あぼーんって!」
.
37 名前: ◆wPvTfIHSQ6 :2011/08/27(土) 14:53:10.09 ID:9bUqTpSi0
(゚、゚トソン「あ、あれ? なんでしたっけ」
(´・ω・`)「『アーボンオレンジ』、そんじょそこらじゃ手に入らない代物だよ」
(゚、゚トソン「はぁ……」
三角形のカタチをした、そのミストタイプの香水を左右に振り、自慢げに私の顔を見てくる。
確かにあぼーんなオレンジなんて知らないが、これではまるでこけにされた気分だ。
とことんそれのことについて問い詰め、逆に追い込んでやりたいところだ。
(゚、゚トソン「珍しいんですかそれって」
(´・ω・`)「珍しいもなにも、最果ての地でないと手に入れられない香水だし」
(゚、゚トソン「最果て……キタコレ辺りですか?」
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