初恋は甘酸っぱい

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「ちょっと、冴木 紗智って子呼んで。」 廊下からそう言っているのが聞こえ、声のした方へと目を移すと、殺気だった様子の女子が教室を覗いていた。 「あれ久遠君のファンよ。私も一緒に行こうか?」 「ううん。大丈夫。」 智子に迷惑はかけたくない。 「気を付けてね。何かあったら言って。」 「うん。有難う。」 心配そうな智子を残して廊下に出ると、数名の女子に囲まれた。 一人じゃなかった。 ・・・大丈夫か、私。 「私ですが、何か?」 「ちょっと面かしな。」 一昔前の不良みたいな台詞をはいた。 ここは大人しく従った方がいいのだろうか?
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