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「あ、高橋君。」
「えっ?どこ?」
「うっそ~」
ベタな嘘に引っ掛かる自分にがっかりする。
「嘘、ほんと。」
どっちだよ。
「ほら、ゴミ箱持って歩いてる。また掃除押し付けられたんじゃない。あんな鈍くさい奴のどこがいいのよ。」
「高橋君は鈍くさいんじゃなくて優しいの。」
高橋 敏君は同じクラスの男子で、私が密かにいいなって思ってる相手。
なんとなく初恋の相手に似てるのよね。
「高橋君はね、雨に濡れて鳴いてる仔猫をほっとけなくて家に連れて帰っちゃうような人なのよ。」
「なんか一昔前のドラマか漫画に出てきそうなシチュエーションね。」
「実際に見たんだもん。」
「えー。」
明らかに胡散臭そうな顔をする智子。
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