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「それにきっと響さんだって…。」
「…響は仲直りする気なんかないよ…謝ってもダメだったし……。」
「何回も謝ったのにですか?」
「ううん。救出された時にすぐ謝ったの…だけど思いっきり無視されて怖くなっちゃって…それからは一回も…。」
「そうなんですか。」
「うん。そのことをきっかけに性格も変わっちゃったし。」
「性格もですか?」
「昔はもっとこう…明るかった?」
「へー…。」
見たかった。
けど今はその言葉を押し殺そう。
「でも…。」
「ん?」
「響さん美音さんのこと嫌ってはないと思いますよ?」
「そんなことないよ。顔合わせれば喧嘩ばっかだし、笑った顔なんて全然見てない。」
「そうですか…?」
……以外と笑ってる気がするけど…。
「うん、怒った顔ばっか。」
……そんなバカな…。
「美音さん。」
「ん?」
「響さん怒ってませんよ?」
「え?」
「確かに起こってる時ありますけど…響さん…基本美音さんと話してる時、平常ですからね?」
「へ?」
「だって響さん本当に嫌いな人には容赦ないですし!」
私の家族がいい例。
響さんは嫌いな人とは目を合わせないし、そもそも近づいてきたら離れる。
そしていつも恨んでる。
「そっそれに…般若になってないし…!!」
「般若?」
「あっ…。」
……なんて言おう……。
「…私の中にある…響さんが一番怒ってる時の…顔と言いますか…その……。」
「プッ。」
「へ?」
「アハハハハ。」
「美音さん?」
「椿って面白いこと考えるわね。」
「…そうですかね……。」
「うん、可愛い。」
「え?!」
顔に熱が溜まっていく。
きっと顔は赤い。
……やっぱり美音さんは優しい…。
そんな美音さんにこれ以上悲しんで欲しくない。
「…美音さん。」
「ん?」
「私…響さんに話してみます。」
「えっ… 。」
「聞きたいんです。…響さんがどう思ってるのか。」
「……。」
「…良いですか…?」
「…お願い…できる?」
「はい!」
「ありがとう。」
こうして私と美音さんの話しは終わった。
響さんと美音さんの過去は悲しいものだったけど、きっと大丈夫。
だって…響さんと美音さんは…
本当の家族なんだから……。
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