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「ハハッ。」
……あっ…笑った……。
時々見る響さんの笑った顔。
よく色っぽく笑うけど私は子供みたいに笑う響さんの方が好きだ。
……にしても…。
なんとか私も響さんに反撃したい。
いつもからかわれたりするのもさすがに嫌だもの。
……そうだ!!
「響さん。」
「何だ?」
「泳げますか?!」
「は?」
「だって今日海入らなかったし…あ……。」
……やってしまった…響さんあの事件で溺れたからトラウマになってるって美音さん言ってたのに……。
「…すみま「泳げるぞ。」へ?」
「泳げるって言ったんだ。」
「えっ、でも…。」
「信じてないな?」
「シンジテマスヨ?」
「明らかに動揺してるだろ。」
「シテマセン。」
「何人だよ。」
そう言って響さんはまた笑った。
……良かった…私のせいで思い出しちゃったかと思った…。
けど……。
「だったら何で今日入らなかったんですか?」
「…泳げるは泳げるけどやっぱ海は無理だ。」
「ごめんなさい…。」
……何で私は言ってしまったんだ……。
「まぁ、でも半々だ。」
「え?何がですか?」
「写真撮るつもりだった。」
「え?」
「本当はわたあめとのツーショットの予定だったんだがな……。」
私から視線を逸らし、ブツブツと呪文のように呟き始めた響さん。
ちょっと待って。
写真って……。
「響さん。」
「何だ?」
「美音さん達が来たから撮らなかったんですよね?」
「いや、撮った。」
「……。」
……嘘でしょ……。
見ても何の得もないあの姿を?!
美音さんと並んでてとても悲しくなったあの姿を?!
「消してくださいっ!」
「アルバムに入れとく。」
「アルバムって……。」
……まさかっ!
「響さん他にも写真……。」
「あるぞ。」
「消し「もう現像してある。」……。」
「アルバムどこにあるんですか?!」
「家。」
「帰ったら貸してください。」
「やだ。」
……うぅ……。
「いつ撮ってたんですか?」
「……。」
「怒らないから言ってください。」
「…寝てる時とか…。」
「……。」
「風呂「響さん!!」怒らないっていただろ。」
「怒ってません!」
「いや怒ってるだろ。」
……そんな…そんなに……。
過去に戻れるなら戻りたい。
私は両手で顔を覆った。
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