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「…響…お前も行けば?」
「そんなに不安なら行きなよ。」
「……。」
「ワンッ!ワンワンッ!」
「わたあめ落ち着いて。」
プカプカと浮き輪を使って浮かんでると、わたあめがどんどん進んでいく。
「浮き輪じゃ追いつけない……。」
「大丈夫よ。わたあめ結構運動神経あるっぽいし。」
「そうですかね……。」
……確かにいつももの凄いジャンプしたりするけど……。
「それに響があんまり深いところに行かないようなんか網張ったらしいし。」
「え?」
「椿に何かあったらあいつヤバイだろうからね~。」
「……。」
……どうなるんだろう……。
「そう言えば椿っ!」
「はい。」
「響見てごらん。」
「え?…っ!」
……な、何で……。
響さんは何故か大きい大人の人達に囲まれていた。
響さんも背が高いほうだけど明らかに囲んでいる人達の方が背が高い。
体格ももの凄く良さそう。
……誰…?
「美音さん……。」
「あの人達はね、海難救助隊。」
「ええ?!プライベートビーチにもいるんですか?!」
「いないよ。響が椿のこと心配すぎて万が一の為に呼んだみたい。」
「……。」
……さすがにやりすぎでは……。
「何かあったらすぐ助けろ。あまり触るなよ。」
「わかりました!」
「響……。」
「重傷だね……。」
「椿っ!」
「え?キャッ!」
「アハハ!凄いでしょ。」
突然何処から出したのか美音さんが水鉄砲を私に向けて撃っていた。
水鉄砲はもの凄い小型なのに、威力はかなりある。
「凄いですね~。」
「椿もやる?」
「はい!」
そう返事すると、美音さんはもう一つ水鉄砲を出して私に渡した。
「えっと……。」
「そのキャップ外して。そこから水入れてまたキャップ付ければできるよ。」
「はい。」
美音さんに言われた通りにやると、
「あっ。」
「アハハハハ!」
水がいきなり出てきてしまった。
「え?え?」
「最初から引き金引いてたらダメよ。」
「あっ。」
「リベンジよっ!リベンジ!」
「頑張ります……。」
「……。」
「行けよホントにもう!!」
「響、双眼鏡使うぐらいなら行くべきだよ。」
「……。」
「ワンッ!」
わたあめ、一匹で満喫中。
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