海と響さんと美音さんの過去

9/39
前へ
/220ページ
次へ
「えっと…。」 私は再び水鉄砲にチャレンジする。 今度はちゃんと、引き金を引いてないことを確認してからやった。 ……よしっ!これで……。 最終確認をし、引き金を引く。 すると水鉄砲からはもの凄い威力の水が出てきた。 ……わたあめに向かって。 「ああっ!ごめんねわたあめ。」 「キューン。」 わたあめが慰めてと言わんばかりに近づいてくる。 ……さっきまで遠くにいたはずなんだけど…。 わたあめは本当に運動神経がいいらしい。 「よしよし。」 「わたあめはホント椿に良く懐いてるわよね。」 「ワフッ。」 「俺たちだけでも遊び行かね?」 「あーあ。カメラ出しちゃったよ。」 「……。」 「行くか。」 「そうだね。」 「……。」 「…響…お前な……。」 「僕達も遊びたいんだから離してよ。」 「……。」 「…真司…。」 「わかった。」 「っ!」 「「レッツゴー。」」 「椿っ!今度はこれやりましょ!」 そう言って美音さんはビーチボールを持ってきた。 「えっと?」 「ビーチバレーよ!ビーチバレー!」 「ビーチバレー?」 「そうよ。一回上がりましょ。」 そう言って美音さんは私の腕を掴み、砂浜に向かった…が…、 「てっ、あれ?」 突然美音さんが止まった。 浮き輪が止まらなかったため、美音さんに衝突してしまった。 「すみません…。」 「それはいいんだけど…あれ何?」 「え?」 美音さんが指さした方を見れば何故か正座させられている拓磨さんと真司さんがいた。 ……何があったんだろう……。 美音さんも気になったようで、急いで砂浜を上がった。 響さんは何か悩んだ顔をしている。 ……何か今日の響さんいろいろ悩んでるな……。 拓磨さんと真司さんは呆れたような顔をして正座をしていた。 「ちょっと、何かあったの?」 すかさず美音さんが二人に話しかけた。 「いや…響が面倒くさくって……。」 「ちょっと強引に海に入れようとしたんですけど……。」 「けど?」 「「今の椿ちゃんを間近で見たらいろいろ耐えられない」…だって。」 「??」 「まぁ…あいつが今の椿の近くにいたらヤバイかもね……。」 「? 何でですか?」 「「「……。」」」 「「…美音さん…。」」 「わかってるわよ。」 「??」 ……何?何?
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1263人が本棚に入れています
本棚に追加