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『ギター弾いてる自分が世界一カッコいいって思える図々しさ? それがあれば充分』  そう言って得意げな顔をした先輩。わたしが笑ったら、不満そうに口を尖らせた。  ギターを失ってしまった今、先輩はどんな気持ちでいるだろう。世界一カッコいいはずだった自分を、今、どんな思いで鏡に映しているんだろう。 「……泣くなよ、瞳。怒って悪かった」  大輔の声が優しくて、優しすぎて、さらに熱いものが込み上げる。  声を押し殺して泣くわたしの背中に、大輔が寄りかかった。重いよ、と苦情を言いたかったけれど、同時に、涙が止まるまでこうしていてほしいとも、思った。
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