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「幸村さんのこと、ドールズのみんなに紹介したいんだけど、いい?」 「え、っと……」 「怖くないから大丈夫。綾火もいるし」  せなちゃんは人懐こい笑顔を見せ、「いこ」とわたしの手を引いて歩き出した。 「――はーい、注目。紹介しまーす。今回、同じステージに立つ幸村瞳さんでーす」  ドールズたちの視線が一気に集まって来る。その迫力に、思わず後ずさりしそうになった。 「あの、よろしく……」  おどおどしながらお辞儀すると、「よろしくおねがいしまーす」と高い声がきれいに揃った。 「瞳ちゃん、ほそーい。かわいーい」 「髪すごいきれーい」 「ギター弾けるなんてかっこいーねー」  ぱらぱらと飛んでくる賛美を受け止め切れず、目を白黒させていると、ポン、と肩を叩かれた。 「一緒に出演できて、うれしい」  頭上からの声に驚いてほぼ真上を見上げると、すぐ傍に綾火ちゃんが立っていた。
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