835人が本棚に入れています
本棚に追加
「幸村さんのこと、ドールズのみんなに紹介したいんだけど、いい?」
「え、っと……」
「怖くないから大丈夫。綾火もいるし」
せなちゃんは人懐こい笑顔を見せ、「いこ」とわたしの手を引いて歩き出した。
「――はーい、注目。紹介しまーす。今回、同じステージに立つ幸村瞳さんでーす」
ドールズたちの視線が一気に集まって来る。その迫力に、思わず後ずさりしそうになった。
「あの、よろしく……」
おどおどしながらお辞儀すると、「よろしくおねがいしまーす」と高い声がきれいに揃った。
「瞳ちゃん、ほそーい。かわいーい」
「髪すごいきれーい」
「ギター弾けるなんてかっこいーねー」
ぱらぱらと飛んでくる賛美を受け止め切れず、目を白黒させていると、ポン、と肩を叩かれた。
「一緒に出演できて、うれしい」
頭上からの声に驚いてほぼ真上を見上げると、すぐ傍に綾火ちゃんが立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!