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 店のガラス壁から中を覗いていると、楽器に囲まれた日高さんと目が合った。  ニコニコしながら手招きされ、おずおずと店の扉を押し開ける。 「どうしたの? さっきから店の前を行ったり来たりして」 「……」  ばれてたか。 「すみません。用事は特にないんですけど、その……」  出入り口でもじもじしていると、日高さんは可笑しそうに笑った。 「今、ちょうどキリがついたから、冷たいものでも入れようと思ってたんだ。一緒にどうかな?」
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