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先輩は眩しそうに目をしょぼつかせながらこちらを見上げている。訊かれる前に急いで「幸村瞳です」とフルネームで名乗ってから、
「どうしたんですか、こんなところで」
「うん、隠れて昼寝しようと思って」
「ここで?」
「保健室、殿堂入りしちゃったからさ」
「殿堂入り?」
「常連すぎて出入り禁止」
「はあ……」
「しょうがないから自分で寝床作ったんだけど」
よいしょと起き上がり、腰のあたりを押さえてイテテと顔をしかめる。
「クッション性がイマイチで。痛くて逆に目が冴えちゃった」
「……」
何と返していいか分からず、とりあえず「それは残念ですね」と言っておいた。
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