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「先輩っていつも眠そうですね」
「うん、まあ。夜はいつも曲作ってっからさ」
「一晩中?」
「そうだなあ、ほとんど毎日、だいたい明け方までやってるね」
――すごい。
さすが、曲作りにはストイックだなあ、と感激したところで、
「だって、いっぱい昼寝しちゃってるから夜眠れないんだもん」
「…………」
人の感激をさらっと台無しにしておいて、先輩は特大の欠伸をした。
子供のように目をこする仕草を見て、思わず頬を緩める。
こうしていると、ライブの時とはまるで別人のようだ。
――まあ、こういう気取らないところも含めてカッコいいんだけど。
……なんて……。
自分の思考に自分で照れていると、無粋な始業チャイムが鳴った。
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