1人が本棚に入れています
本棚に追加
自分が聞きたい事の内容の問いには全く答えないまま、何気ない質問してくる彼女に解りづらいようにしかめっ面をしながら元弥は口を動かした。
「ーーーーッフォーリングダウンだ、マイケル・ダグラスて俳優が出ているやつで話しは確か街中で自分が気に入らない物事をとにかく潰す映画だよ」
「それよ」
どういうこと?、元弥は真紀の唐突な発言に少しだけ困惑し始めた。
「あなた、映画に少しだけ詳しいじゃない。それ以外にもドラマとかゲームにマンガやいろんなものにも詳しいし、ブログに挙げてたアニメのレビューおもしろかったよ」
「なあ待て、どうして俺がレビューのブログを立ち上げてるのを知ってるんだ?」
同じ学校にいる西成士以外の人たちには教えてはいない。中学の二年から立ち上げた作品の批評ブログサイトをどういうことか真紀は知っていて、それに元弥は動揺を隠し切れなかった。
「あー、この前学校であなたのスマホの画面をチラ見して、その時にTwitterのアカウントを見てサイトにたどり着いたの」
聞いた元弥は特定されたことに恥ずかしくなり、口元を右手で押さえながら「マジかよ」と小さく小言を吐いた。一弥は真紀に改めて聞いた。
「あー、その、学校とかクラスの皆には教えてないんだよな?」
「ええ、教えてないわ」
真紀のその言葉を聞いた元弥は確認し安堵した 。彼は少しでも落ち着こうと、机に置いてあるオレンジジュースを手に取り飲んだ。少しだけ落ち着いた元弥は周りを見渡すと、自分たちが此処に着いた時は席はさほど埋まってなく、場所を自由に選ぶことが出来たが、今では若い家族連れや老夫婦、カップルに 学生たちが集い、ほんの20分の間に席は埋め尽くされていた。
店内を見渡し、状況を確認した元弥は真紀に「どうしたの?」と聞かれ、「何でもない」と返事しながら顔を彼女の方に振り向いた。
最初のコメントを投稿しよう!