1.男が苦手な少女

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猛暑が続き暫く、少しだけ慣れてきたような慣れてきていないようなそんな日、世間では夏休みだ何だのと騒がれているにも関わらず私は学校に来ていた。 なぜなら市立平国(ヒラクニ)高校ではこの日から一週間だけ補習が行われる。 これは決してその学期中で1を取った人が行うようなものではなく、進学を目指している人が対象となっているものだ。 私は対して進学を目指しているというわけではないが、親に行けと言われて半ば無理やり学校に来ている。 故に、少し、いや、とても帰りたい。 そうは言っても受けないと怒られるのは私だ。 こんな小さなことで怒られるというのはあまり良い気分ではない。 そう思って嫌々補修を受けていたその休み時間、事件は起こった。 「ねえ七丘さん、今ちょっと時間あるかな?」 声からして嫌な予感がした。 振り向きたくないがそれも失礼にあたる。で もやはり…怖い。そんな恐怖心に蝕まれながらも、振り返り顔を見ずにこう言った。 「ごめん、私用事あるから。」 ごめんなさい、名前も知らない男の子。 そう思いながら私は一目散に逃げた。それはもう脱兎のごとく。
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