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「…ということがありました。」
場所は変わってファミレス。
補習が終わった後すぐに今目の前にいる美少年、梅宮りょうに相談にのってもらうためにここに来てもらうように連絡をした。
彼は自宅で探偵事務所を営んでおり、自身も現役高校生探偵として生計を立てている。
故にとても頭がキレて、こういった際にはよく相談にのってもらっていて信頼している。
梅宮りょう―りょう君は頬に手をつき、アイスコーヒーを飲んでいたストローから口を離して気だるそうに「で?」と聞き返した。
やっぱり不機嫌そうで一言だけなのに迫力がある。
内心ビクビクしながら私は口を開く。
「私のこれ、いつ治るかな?私、治るのかな?」
これ、というのは先ほどの行動のことだ。
きっかけは覚えていないが、というより思い出したくもないが、いつからか私は男性恐怖症になっていた。
今は親しい男性ならば平気になり、少しは治ってきたと思うがやはり親しくもない知らない男性はまだ無理だった。
良い例が先ほど声をかけてくれた男子生徒だ。
彼は何も悪くないのに私の勝手な都合ですぐに逃げてしまった。
これはとても失礼なことだ。だから治したい。
私はそんな想いから信頼している彼に相談を持ちかけたのだが…。
「知らん。」
彼はそう端的に答えた。正直この答えに少し落胆したものの、予想していない答えではなかった。
元々彼は私に対しては歯に衣着せぬ物言いをする。
なのでこのような答え方にショックを受けるようなことはない。
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