月の光に照らされて

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「雪……眠れないのですか?」 背後から声をかけられ雪音の体がピクリとなる。 「パジャマ1枚で……風邪ひきますよ」 「蒼水……もう寝るから大丈夫」 雪音は蒼水に少しぎこちない笑顔を見せた。 「月がとてもきれいですね」 蒼水は口元に笑みを浮かべ手に持っていた雪音のジャケットを手渡した。 雪音はそれを受けとると手早く袖に手を通した。 そして自然と二人は空を見上げていた。 無言のままただ時だけが流れた。 何十分見上げていただろう、暫くして部屋へと戻り二人はそれぞれのベッドに潜りこんだ。 暗闇の中、雪音は目を閉じたものの眠れないまま朝を迎えた。
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