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「き、今日の朝ごはんってもしかして!?」
「ああ、イリスの好きなカボチャのシチューだよ」
_父さんはふふふ、と口角を上げながらシチューを掻き混ぜる。
_足が急に軽くなり、私は食卓に着いた。
_鼻歌を歌いながら待っていると目の前に陶器の器に入れられたスープ、カリカリに焼き上げられたバケットが出てくる。
「いただきまーす!!」
_バケットとスープを交互に口に入れる。
_パリッとした食感とカボチャのまろやかな甘みが口の中全体に広がっていく。
_ああ、なんていい日なんだろう!!
_そんな私の様子を面白そうに微笑みながら父さんは見ていた。
「良い食べっぷりだね。イリスのそんな姿を出発前に見ることが出来て父さんは嬉しいよ」
_その言葉に思わずスープを掬う私の手が止まった。
_そう、私は今日この家から出なければならない。この世界の神々から与えられた使命を全うする為に。
「邪悪なマゾクから世界を救う使命を与えられた君のことを父さんは誇りに思うよ。教会の教祖である私としても、父である私としても」
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