【第1章】世界への旅立ち

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_数ある服の中から私は真っ黒なワンピースを手に取ってベッドの上に投げ置く。 _白いネグリジェを脱ぎ、半裸になる。 _クローゼットの中にあるブラジャーを取り、胸に付けたあと白いシャツも手に取りそれを着る。 _ボタンを留めていき少し違和感。 _……胸がきつくなったのかな? _苦しいと感じる程ではないが僅かに違和感がある気がする。 _今更サイズの大きいシャツを頼める訳でもなく、今度どこかで下着と共に買うことにした。 _ワンピースを頭からスッポリと被り、丸まっている裾にある藍色のレースを伸ばす。 _巻き込んだ後髪を両手を使って取り出し、黒いストッキングを履く。 _鏡の前でおかしなところがないか身をよじったりして確認し、机の上に置いてあったケースから取り出した物を髪につける。 _母さんが私に残した唯一の形見である髪飾り。 _稀少な星華(セイカ)と呼ばれる紺青色の花で作られていて、星が泣いた時に流れた涙のような花という言い伝えがある。 _この花が咲いたところをいつか見てみたいというのが私の夢だ。
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