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「エリザベスは?」
「英国に留学してる。君は?」
「夜間の大学に通ってます。まだ、人と話すのは超苦手ですが。なんとかやってます。哲郎さんは?」
「俺は大学で心理学を学んでる」
「哲郎さん。学ぶ必要ないでしょ?中学生で既に心理のプロフェショナルでしたから」
「まーね。ところで、まだ自殺願望はある?」
「ええ。時々、あの中学の頃に死んだ方が良かったのに、と思う時があります」
そして響子が顔を伏せると、ブクブクと黒い呼吸を吐き出した。顎の下にも切れ目が入り、それがエラ呼吸となって水と共に噴き出ている。
やがてそれは赤い血の色も混ざり、室内を満たした海水を底の方から赤黒く濁らせてゆく。
根津の棺桶の隙間からも死霊の血が漏れ出し、線香の煙さえ赤く揺らいで視えた。
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