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意識が戻った時、メイは一人で地面に倒れていた。
這うようにして小屋に戻った。
小屋の中ではリンが大量の吐血をして横たわっていた。
「お母さん!」
メイの叫び声に反応してリンはメイを見た。
メイの傷付いた姿を見てリンは驚愕した。
やがて静かに話した。
「メイ、お前赤ちゃんができるよ、
お前は頭がいいし、よく頑張る子だからしっかり育てて
お父さんの日本へ行って来なさい、
働けばいい暮らしが出来る所だから、
どんな事があっても生き抜くんだよ」
そう言ってリンは静かに眠った。
次の日、メイは裏山にリンの墓を掘った。
墓標も何も作らずリンを埋めただけだった。
「これなら誰にも気付かれないからね、安心して休んでね、
お父さんと、一緒に」
メイはいつまでも泣いた。
翌年、雪と美亜が生まれた。
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