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メイの表情は怖かった。
雪も美亜もガタガタ震えながら小走りで山に向かった。
もうすぐ3人が小屋に着く頃、雪、美亜がほっと安心した時、
それはやって来た。
兵士が追いかけてくる音が聞こえたかと思うと
直ぐ背後に迫っていた。
「逃げて! 早く!」
メイが叫んで3人はバラバラに逃げた・・・
小屋にたどり着いたのは雪が最初だった。
下腹部は鮮血にまみれ全身泥だらけだった。
呆然と座っていると美亜が入って来た。
雪同様、全身傷だらけで下腹部の鮮血が痛々しかった。
お互い話す事も出来ずに黙っていた。
泣くよりも全身の苦痛に耐えるのが精一杯だった。
しばらくしてメイが帰ってきた。顔の傷が酷かった。
2人を認めたメイは命が助かっただけでもよかったと言って泣いた。
2人もメイにしがみ付いて大声で泣いた。
メイは泣きながら日本へ行こうと何度も繰り返した。
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