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夕方、
やっと動けるようになったメイを抱きかかえながら3人は小屋を後にした。
海岸から船で逃げる単純なものだった。
メイは死ぬ事を覚悟していた。
自分の精も根も肉体も限界にきていた。
このまま生きてもなんの意味の無い生活だった。
母リンと同じだった。
リンには常夫という最愛の夫がいた、そしてメイが生まれた。
苦しくても愛があり幸福な時間もあった。
メイは常夫とリンの愛情に包まれて育った、短い時間だった。
そして雪、美亜が生まれた。
妊娠の原因はつらいものだったが、今はそうは思ってなかった。
素晴しい娘だった。全ての愛情をかけて育てた。
2人もそれ以上の愛で応えてくれた。
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