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せめて雪、美亜には幸せな人生を送ってほしかった。
メイ自身は常夫とリンが待つ所へ行きたいと思った。
海岸に辿り着くまでには時間が掛かった。
村には兵士の数が増えていた。
村を囲むように遠回りして海岸まで辿り着くしかなかった。
細い獣道に足を取られながら懸命に歩いた。
数時間後、3人は海岸が見える高台に出た。
3人は海岸を見渡し船がある場所を探した。
船はまとめて置いてあった。しかし、
船は大きく数十メートル陸地に乗り上げて留めてあった。
女3人で動かせるものではなかった。
船の中では浮浪者が寝ていた。
「だめだわお母さん、船は出せないし、人がうろうろしてるよ」
美亜が心配そうに言った。
「そうだね、でも、もう帰ることはできないよ」
メイが強い口調で言った。
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