発見・・・

131/136
前へ
/136ページ
次へ
 せめて雪、美亜には幸せな人生を送ってほしかった。  メイ自身は常夫とリンが待つ所へ行きたいと思った。  海岸に辿り着くまでには時間が掛かった。  村には兵士の数が増えていた。  村を囲むように遠回りして海岸まで辿り着くしかなかった。  細い獣道に足を取られながら懸命に歩いた。    数時間後、3人は海岸が見える高台に出た。  3人は海岸を見渡し船がある場所を探した。  船はまとめて置いてあった。しかし、  船は大きく数十メートル陸地に乗り上げて留めてあった。  女3人で動かせるものではなかった。  船の中では浮浪者が寝ていた。 「だめだわお母さん、船は出せないし、人がうろうろしてるよ」  美亜が心配そうに言った。 「そうだね、でも、もう帰ることはできないよ」  メイが強い口調で言った。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加