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万事休すだった。
絶望感が3人を襲った。
長い沈黙が続いた。
「お母さん、あれは?」
雪が指差した暗闇の先に小さな木の葉のような
ボートがうっすらと見えた。
比較的水辺に近かった。
小さな3人乗りのボートだった。
「あれしかないね、2人ともいい?」
2人は心配で怖かったし、自信がなかった、
しかしメイの顔を見るといやだとは言えなかった。
「うん」
「どんな事があっても日本に着くんだよ」
厳しい顔でメイが言った。
3人は静かに海岸を歩いた。
浮浪者が酒を飲んだり騒いだりする中、
目立たないようにボートに近付いた。
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