発見・・・

132/136
前へ
/136ページ
次へ
 万事休すだった。  絶望感が3人を襲った。  長い沈黙が続いた。 「お母さん、あれは?」  雪が指差した暗闇の先に小さな木の葉のような ボートがうっすらと見えた。  比較的水辺に近かった。  小さな3人乗りのボートだった。 「あれしかないね、2人ともいい?」  2人は心配で怖かったし、自信がなかった、  しかしメイの顔を見るといやだとは言えなかった。 「うん」 「どんな事があっても日本に着くんだよ」  厳しい顔でメイが言った。  3人は静かに海岸を歩いた。 浮浪者が酒を飲んだり騒いだりする中、 目立たないようにボートに近付いた。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加