97人が本棚に入れています
本棚に追加
洋一が言った、
「今日死ぬ、明日死ぬ人の命を助けろ」
という言葉に従った。
色々な地域に行けば行くほど元の国へは行けない事が分かったのだろう、
日本へ着く前の生活は忘れる筈がない。
生活が悲惨であればあるほど2人はいてもたってもいられなかったに違いない。
以前の2人の生活を洋一は聞いた事がなかった。
無理して訊くことが出来なかった。
辛い思い出を語らせる訳にはいかなかった。
あの2人なら絶対大丈夫だと洋一は信じていた。
が、国の事情が心配だった。
軍に見付かれば、掴まったら、
収容所へ入れられたら・・・
不安が津波のように押し寄せてくる。
最初のコメントを投稿しよう!