2001年8月9日

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なんとか目的のコロッケを購入し、自分はアパートへと戻ってきた。 扉に鍵を差し込み、回す。だが開かない。 何故だろうと思い、もう1度鍵を回すと扉は開いた。どうやら最初から鍵がかかっていなかったようである。 「おっかしいな。確かに今朝、鍵をかけて出たはずなんだけど」 玄関へと入り、目線を靴箱に向ける。するとそこには―― 人形のついた鍵があった。いつもの場所に、さも当然のように。 「……あれ? なんだよ、今朝見つからなかったくせに今頃見つかるなんて」 だがこれでスペアキーを作る事もなくなった。無駄な出費をおさえられたのだからOKとしよう。 「ただーいまっと。さて、メシメシっと」 一人暮らしをしていると、何かと独り言を呟くようになる。自分では感じないが、心の奥底で寂しいという気持ちがあるのだろうか。それを紛らわす為に独り言をしてしまうのか。よく分からない。 購入したコロッケは、まだ温かい。冷蔵庫の中で保管しておいた冷や飯を茶碗に移し、電子レンジへぶちこむ。 5個あるコロッケの内、1つを手づかみでかぶりつきながらテレビのリモコンを探す。そんな時 ――――ピンポーン…… 不意に、自分の部屋の呼び鈴が鳴り響いた。 もしかしてマツモッフィーか? それとも、ゆー君でも来たのだろうかと思いつつ覗き穴に顔を近付ける。 だが、そんな自分の予想は外れてしまう。部屋の外にいた人物、それは―― 「――――渡邊さん……?」
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