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「――――ん…………」
ふと目覚めると、まだ辺りは真っ暗だった。
付けっぱなしにしていた腕時計を確認すると、深夜3時。おかしな時間に目覚めたものである。
寝なおそうかと思った時、ふとベッドで寝かせていた渡邊さんの事が気になった。
ゆっくりと上半身を起こし、ベッドに目線を向ける。すると――
――――いない。
渡邊さんの姿が、忽然と消えていたのである。
(あれ……? どこへ……トイレかな?)
玄関廊下への扉は開けっ放しだったので、立ち上がって確認する。電気はついていない。
もしかして、目覚めた後に見知らぬ部屋、更には知りあったばかりの男が床で寝ているのを見つけて恐くなって逃げたのでは?
そう思ったが、玄関に自分が脱がせた渡邊さんの靴が置かれていた。
(じゃあ、一体どこへ……)
電気をつけないまま、自分は廊下へと向かった。一応トイレを確認してみる。……いない。
となれば、後は……
自分はゆっくりと、風呂場の扉を開けてみた。
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