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カゴを持ち、惣菜コーナーをうろつく自分。
(やきとりもいいけど、からあげも美味しそうだ。これは迷う所だな……)
結局からあげを購入して、今度はドリンクコーナーへ。
(最近皆、野菜ジュースを飲んでるとかいってたっけ。野菜をとらなきゃいけないのは分かるけど、ジュースかぁ……)
色々とくだらない事で悩みながら歩いていると、突然
――――ドサドサッッ!!
奇妙な音がして、持っていたカゴがいきなり重くなる。
なんだ?! と思いながら目線を下に向ける。すると……
先ほどまで、からあげしか入っていなかったカゴの中に、大量の品物が入っていたのだ。
歯ブラシ、洗顔料、コップに枕カバー、生理用品まで入っている。
(な、なんだこれっ?!)
気配を感じ、自分は背後を振り向く。そこにいたのは――
……渡邊さんだった。
いつものように瞬きをせず、じっとこちらを見つめている。そして、ゆっくりと……
口端を釣り上げてみせたのだ。
それを見た瞬間、背筋が震えあがり言葉が出なかった。
彼女の笑みというのを初めてみたが、一言でいうなら不気味……だった。
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