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『怨結び』を書くにあたり、自分はヤマさんに連絡をいれてみる事にした。
最後に連絡をいれたのは5年前……? いや、もっと昔かもしれない。
『トシか? 久しぶりだなぁ、元気してんのか?』
ヤマさんは結婚をして、現在も岡山で生活している。
自分は10年前の出来事を小説にしていいかと尋ねた。
『小説? なんだ、小説家になったのか?!』
なれればいいねぇ、なりたいねぇ。でも違うよと言って事情を話す。
『なるほど。無料携帯サイトにトシが小説を出してんのか。すごいじゃないか!』
すごくないよ。人気もあがらず鳴かず飛ばずでヒィヒィ言ってるよ、と愚痴をこぼす。
『大丈夫さ、トシならきっと成功する。もしプロになって印税稼いだらオゴッてくれよな』
今の状態だと缶ジュースをオゴってあげるのが限界だよ、と告げると
『いいねぇ、んじゃ缶ジュースで乾杯といこうぜ』
笑いながら、そんな事を言ってくれた。
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