禁じられた話

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警官が部屋を出ていった後、ヤマさんは青木に言った。 「なんだかおかしいぞ。ちょっと大家に連絡を入れて話をきいてみろ」 言われるがまま青木は大家へ電話をかける。 「もしもし。あのー、今警察の人が来られて部屋を色々見て回ったんスけど。これってどういう事ですか?」 訊ねてみるも、大家は「こちらとしては何とも」とか「ただの調査なので」と言うだけ。 ヤマさんは青木から受話器を取ると、強い口調で告げた。 「大家が住人を不安がらせてどうするんだ。納得のいく答えをキチンと説明するのが筋ってものだろう」 ヤマさんの気迫に負けたのか、大家は直接青木の部屋へと顔を出した。 手に菓子折りを持って。
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