電話ボックス

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数人に情報を聞いてみるが、返す言葉は同じだった。 「廃墟? 知らないねぇ……霊が出るって話も聞いた事がないよ」 その後も、いくつかの山を散策してみたが見つからず。気が付けば辺りは暗くなっていた。 「しょうがない。こういう事だってあるよ。美味しいものでも食べて帰ろう」 自分が促すと、松井は悔しそうな顔をする。 「ちぇー、超楽しみにしていたんだけどなぁ、廃墟。話してなかったけど、俺って廃墟マニアな部分があって」 「はいはい。その話は飯屋でゆっくり聞かせてもらうから」 「山口の特産物といえば、やはりフグじゃないか?」 「そんな金がどこにあるっていうんだよ……」 心霊スポットこそ見つからなかったが、食べ物は美味しくて私達は十分満足していた。
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