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『見舞いに行った時……改めて謝りに行った時って言ったほうがいいのかな。
心配したんだぞって話をしたんだよ。
だから、つい全然会えていなかった友達に相談しちゃったんだと言ったらさ、
彼女がこっちを向いて、こう言ったんだよ…………
――アァ、アノ 眼鏡ヲ カケテイル 人?
俺の友達で眼鏡をかけている奴なんて、トシしかいないしさ。
知り合いなのかって訊ねたんだけど、何も答えてくれなかった。
何? どっかで会った事あるのか?』
……携帯を持っていた手が、微かに震えている事に気付く。
やはり自分が見たのは、彼女だったのではないか?
それが生き霊だったのか、単なる自分の見間違いなのかは分からない。だけど……
これ以上、彼らに関わる事が得策ではないと考えた自分は、決別の意味も込めたメールを送った。
「 お幸せに 」
――――完。
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