2ケツ

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――連休の最終日。深夜になって江崎からメールが来た。 確認すると、内容は『江崎だけど、ちゃんとメール届いてるか?』という簡単なもの。 届いてるよ、とだけ文章を打つのも何か味気ない気がして、私は少し文字を埋める事にした。 『大丈夫、ちゃんと届いてるよ。それよりも、いつの間に彼女なんか作ってたんだよ? 原付の2ケツはやめときなよ? 減点や罰金はキツいぞー』 送信すると、5分くらいして再びメールが来た。こんな内容である。 『は? 彼女? 2ケツ? 何を言ってるんだ?』 ……私は眉根を寄せた。そして、すかさずメールを返す。 『いや、だからこの前、自分と会った時。彼女と原付2ケツしてたじゃないか』 メールはすぐに返ってきた。 『いや、俺は1人だけだったけど……何の話だ?』 ……背筋に冷たいものが駆け抜けた。
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