2ケツ

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『魔がさしたっていうのかな……俺、実は2股かけちゃってさ…… それがきっかけで、彼女の様子が激変しちゃったんだよ。 鬱とヒステリーを繰り返して……パニック障害っての? よく分かんないけど。 それで、もう1ヵ月くらい連絡が取れないんだ。 勿論、浮気相手とは完全に関係を切ったけどさ』 「何やってんだよ……彼女からしてみれば、ほとぼりが冷めるまでほっておいてくれって事じゃないの?」 『俺もそう思った。最初の内はな。でもこのままではいけないと思って、彼女の実家へこの前行ってきたんだ』 「ちゃんと話は出来たの?」 『いや……実家にもいなかった。それどころか、会社も無断欠勤していたみたいでさ…… 彼女の両親も、すごく不安になってて……警察に捜索願いまで今は出しているんだ……』 「……傷心旅行、という事はないかな?」 『2人で前に東京へ行った事があった。彼女はいつも旅行へ行く時に持ち歩くカバンがあるんだけど、それは部屋に置きっぱなしにされてたらしい……』 そうなると……もはや嫌な考えしか浮かばない。 傷付いた彼女は、自殺出来る場所を求めて旅立った…… そして、自分があの時みた原付後部座席の女性が……彼女の霊だったとしたら……
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