君のネコになりたい

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「夏井、誰がいい?」 新しいクラス。 前の席の名前も知らない奴が話しかけてくる。 「何の話?」 「女子だよ!女子!」 「あぁ。女子かぁー。みんなかわいいよね」 俺はにっこりと笑った。 こうして人懐こくしていれば誰にも嫌われない。 そうしてるうちにこの性格がいつの間にか板についていた。 「おぅ、いまの笑顔俺が女なら惚れてるな」 なんて前の席の男子がなぜか顔を赤くしてる。 「夏井くーん!同じクラス嬉しい!」 去年も同じクラスだった赤坂が俺の腕に自分の腕を絡めてくる。 こいつは毎日こうだ。 「はは。そんなに喜んでもらえて嬉しいよ」 思ってないけど、そう言っておく。 「お前って、根っからの犬系なのねー?」 「なんだよ。その犬系って」 「犬系男子?人懐こくてさ」 最近はそんなふうに言うのかと関心する。
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