189人が本棚に入れています
本棚に追加
/487ページ
「えっ!?清水の首は何処に居たんですか?」
俺は咄嗟に『居た』と言った。
自分でも気付いていなかったが、久しぶりに会った旧友とはいえ、俺にとって清水は、掛け替えのない存在だったのだろう。
それ故に『あった』ではなく、『居た』と、出たのだろう。
「先程、清水さんの首と思われる物を、持っていた人物を署に連行したそうです」
耳餃子は眉をへの字に曲げ、申し訳なさそうな顔をしている。
その顔は「散々疑ってしまい、申し訳ごさいませんでした」と、言いたげに見える。
だから俺も、「過ぎた事だ、気にしないでくれ」と言いたげな顔をしながら、別の事を尋ねた。
「そいつは誰なんですか?」
「捜査上の事なので、言えませんが、それが清水さんの首であるかどうか、ご確認願えないでしょうか?」
「…分かりました」
そして俺は白い壁に包まれている、何処かひんやりとした空気が流れている部屋に連れて行かれ、首だけとなった遺体と対面した。
それは紛れも無く、俺の親友である、清水の首だった。
最初のコメントを投稿しよう!