僅差

2/6
前へ
/41ページ
次へ
「は、転校生?」 時間は午後20時過ぎ。夕食が終わりリビングで寛いでいる夏美がこちらを向き、驚いた表情で言った。 宮本が作りたてのココアをおぼんに載せながらうん、と返事をした。 「なんでまたそんな中途半端な時期に…、だってまだ入学式から1ヶ月しか経ってないじゃん」 「まー、家庭の事情があるんだろ…、ってことで明日土曜日だけど学校行くことなったから」 「あ、マジ?午前中だけ?」 「おう」 「了解。じゃあ明日弁当作らないからな」 「ん」 宮本もリビングへ向かい、机にココアの載ったおぼんを置いて夏美の隣に座った。 [それではまたどんどんと参りましょー!恐怖映像50連発第30位からご覧くださいっ、どうぞ] 「お前また心霊番組見てる。好きだねー、こういうの」 心霊番組のテレビを見てる夏美に宮本が声をかける。 「うん!健吾は見ないの?」 「興味ない」 「ふーん、ま、健吾そういうの見えるもんな」 [うわっ!?なんだ今の…] 宮本はじっと恐怖映像が映っているテレビをみつめる。 「……」
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加