僅差

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小さい頃からそれは見えた 既に亡くなっている人の存在 今でこそ生きているものと死んでいるものの違いが分かるが、特に怪我をしていないものに関しては生きている人と変わりなく、はっきりと見えたため知らず知らず接してしまうこともあった。 そのため危ない目に合うこともあったが。 「んじゃ、行ってきます」 「おー、気をつけてなー」 家を後にし、学校へと向かう。 途中道端にあるものを見つけた。 アスファルトの道端の脇に置かれた花束と そしてその脇に佇む頭から血を流したーー霊。 「……」 宮本は静かに通りすぎる。 そのまま振り返ることはなかった。
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