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学校の校長室に着いた宮本は扉をコンコンとノックする。
「1年3組担任の宮本です。入ってもよろしいでしょうか?」
「入りなさい」
「はい」
ゆっくりと扉を開け、中に入る。
優しげな表情で宮本を校長は出迎えた。校長の隣に転校生もいた。
転校生と目が合う。
(………え?)
宮本は思わず目を見開いた。
「休み中に悪いね宮本先生…雪坂君の制服の手配とかいろいろとね。あ、この子の名前は雪坂達也君っていうからね」
「えっ?あ、はい…」
校長先生の声にはっとし目を向けた。
「んー、ていってももう重要なこととかも話ちゃったし、書類も渡したし後は簡単に学校案内したらいい感じかな。宮本先生頼めるかな?」
「……分かりました」
「じゃあ頼んだよ」
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校舎内を雪坂に案内しながら宮本はゆっくり歩く。
今日は休日なため生徒は居らず静まりかえっていた。
宮本はちらっと雪坂に目を向ける。
「……」
自分がおかしいのだろうか?
今目の前にいる人物をじっと見つめるが、クラスの女子生徒が騒ぎそうな綺麗な顔立ち以外は特に変わりない。
だがーーなにかが違うんだ。
生きている者と死んでいる者の違いが
「先生、案内ってもうこれで終わり?」
「えっ!?」
雪坂に話を振られビクッとする。こちらを横目で見ていた。
「いや、あと屋上がある」
「……」
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