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こんなに綺麗なんだって思った。
自殺で有名な場所だから柵がしてあったんだけど、簡単に乗り越えることができた。
そして崖に辿り着くと、夕焼けと僕の街が一望できた。
それを見ていたら涙が溢れて止まらなくなった。
膝を抱えて座っていると、後ろから誰かに抱きしめられた。僕は自殺者の幽霊にでも憑かれてしまったんじゃないかと驚いたが、懐かしい匂いにハッとした。
「こんな所で何してんの」
「どうしてここに?」
「質問してるのはこっち」
「いや、、。その・・・」
「答えられない?」
「・・・・。死ぬつもりだったんだ」
「どうして?」
「俺が生きる意味無いなって」
「じゃあ、ちょうだい?」
「何を?」
「たっくんを。」
「もらってどうすんの?」
「さぁ」
「いいよ」
こんなんだった気がする。こんなんで僕はあいこと婚約したんだ。
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