実家.1

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僕が小さい頃から、両親は些細な事でケンカをし、大声で怒鳴りあっていた。 僕は部屋で耳を塞ぐことしかできず、耳を塞いでも聞こえてきてしまう怒号の中には、僕の名前がよく入っていた。 2人は僕のせいでケンカしているんだと、はじめはそう思っていた でも成長するにつれてそうでもないんじゃないかと思い始める あの二人はお互いのフラストレーションを”僕のため”を口実ににぶつけ合っているだけだ 気づいてないとでも思ってんのか? こっちはあんたらのやり取りを物心ついたころからずっと聞いてんだ ずっとあんたらの顔色を伺いながら生きてきたんだよ とはいえ、ガキである僕は一人では生きていくことはできない。 だから、待った。 彼らの言うことを完遂しながら、彼らの思う子どもを演じながら。 家を出れた時は天にも昇る気持ちだった。あんな解放感、今まで味わったことがなかった。 家族の事を考える時は、さすがのあいこも霞んでしまった。
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